AXIA
近頃時間がある時に、古いカセットテープをCDに焼く作業を細々とやっています。

カセットデッキからハードディスクレコーダーに一曲ずつ落とし、
テープの劣化や、そのときの録音状態によってEQをかけて音質を調整したり、
場合によってはトータルにコンプレッサーをかけて音圧を上げるという
荒技を駆使して、なるべく聴きやすい状態でカセットテープの音源をCD化しています。

MDプレーヤーやCDーR、mp-3の普及に伴い、
「お気に入り曲」の編集は手軽なものになりました。

それと同時にカセットテープというメディア自体に触れる頻度は激減し、
それこそ昔『テープが伸びるほど』聴いた、
一曲ごとにeject noiseが入る自分のお気に入りライブラリを耳にする機会が減ってしまいました。

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タイトルも何も書いていない、一本のカセットテープが出て来ました。
「なんじゃこりゃ?」

大学進学のため、札幌へ向かう飛行機に乗るために、
仙台空港まで送ってくれた友達の車の中でかかっていた、
その友達の「お気に入り曲テープ」でした。

搭乗ゲートをくぐる直前に、
「あ、これも持って行けよ」と手渡されたテープ。

…もう10年以上経つんだよなぁ。

初めての一人暮らし。
6帖ワンルームの部屋で、届いた荷物を整理しながら聴いていたのもこのテープ。
友人はおろか、自分の事を知っている人すらいない初めての土地。
今日から始まる新しい暮らし。
期待と不安と…一人ぼっちの寂しさと…。

折り返されたインデックスカードの裏側の、
走り書きされた数行のメッセージ。
照れ隠しの、お馬鹿な文章。
でも心がこもった優しい文章。

寂しくなったらこのテープを聴いた。
すぐそばに、その友達が居るような気さえした。
自分以外誰もいない部屋、誰も訪れない部屋。
何度も何度も聴いた。

やがて学校が始まり、
(大学には馴染めなかったけど)新しい土地の友達が少しずつできてきた。
バンドも始めた。一緒に酒を呑んで、泊まっていく友達もできた。
新しい彼女もできた。
部屋には新しい音楽が流れた。
いつのまにか僕は、このテープの存在を忘れていった。

タイトルもなにも書いていないカセットテープ。
たかが一本のカセットテープ。
でもこいつは、寂しくて不安な夜から僕を救ってくれた恩人のような存在である。

「これは…CD-Rに焼かなくてもいいか…」

何と言えばいいのだろう?。
これは、このままの音質でいい。
カセットテープのままでいい。

テープをくれた友人には、しばらく会っていないが、
今度会った時には、一緒にこのテープを聴こうかと思います。

+++SIDE A+++
the wild one / boφwy&SUZI QUATRO
sunny / Bobby Hebb
save the last dance for me / The Driffters
smoke get in your eyes
only you /The Platters
accidents will happen/Elvis Costello

+++SIDE B+++
masquerade
faded blue night
perplexing 2-nite / STRAWBERRY FIELDS
instant love
"16" /boφwy
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by twisted.nerve | 2005-05-20 02:49 | 音楽


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